青春記的なものから1冊をと思いました。レトロな本のブログ的視点では、どくとるマンボウ青春記(北杜夫)や、ムツゴロウの青春記(畑正憲)でもいいのですが(どちらも、とても面白いです)、時代が10年ほど後の表題の本にしました。私の学生時代には、この3冊ともよく読まれていたと思います。もし、もう1世代遡るとすれば、三太郎の日記(阿部次郎)となるでしょうか、レトロな本のブログとしては、この本が一番適していそうです。
「哀愁の町に霧が降るのだ」はスーパーエッセイという名称がつけられていたと思います。不思議な文体なのですが、微妙な表現がなぜかきちんと伝わってきて、つまり、これが、スーパーエッセイたる所以です。椎名誠の文章の中で一番すごい文章の切り抜きを、私はたぶんまだ持っていて、それは押し入れの段ボール箱のどこかにあるのですが、探してはいません。ある雑誌に書かれていた数ページのエッセイで、旅先で起こった出来事です。こんなぼんやりとした気持ちを文章に表現できてしまんだなあ、という文章です。
「哀愁の町に霧が降るのだ」はなかなか本論に入いらなかったと思います。始めの方でだるんとなるような場合、本の真ん中ぐらいから読むという手もあるかもですが、保証はしません。たぶん、私は1ページ目からずっと読んでいったのではないかと思います。そうすると、文体に慣れた頃が、ちょうど本論です。
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hw10a003 (月曜日, 08 7月 2013 15:07)
読み始めは話が始まらないことを不思議に思い、途中まで飛ばして読みそうになりました。しかし、読み終えてみると、人というものが、私たちの目線のように等身大で書かれており、また不思議な気持ちになりました。時代も私たちの時代と違うようで、どこか似ている雰囲気があり、やはりいつになっても変わらない雰囲気はあるのだと感じました。
K.K (金曜日, 26 7月 2013 19:12)
小説家である著者の現在から始まり、生い立ち、かなりヤンチャだった学生時代、その頃出会った沢野、木村、内田など個性豊かな登場人物との関わりを過去へ遡ったり現在に戻ったりしておもしろおかしく、時には考えさせられる不思議な作品でした。
hw10a009 (土曜日, 27 7月 2013 14:21)
読みました。
個人的には編集時代の話がとてもとても楽しかったです。
試行錯誤しながらいろいろな出来事を経て、個性的な面々とのやりとり・・・。とても楽しくそこが一番読み進められました。
かけそば (日曜日, 28 7月 2013 00:08)
この本はノンフィクションでありながら個性的な登場人物でとても面白かったです、作者の椎名さんの文章もとても上手に書かれておりスラスラと読めました。
また、お金がなくても部屋に太陽の光が当たらなくても仲間がいて楽しければいい、なんとかなるという若い考え方に僕もすこしばかり憧れを持ちました。
HALO (日曜日, 04 8月 2013 01:27)
読む前は本の厚さにびっくりとしんどさを感じました。ですが、本が中盤くらいまでいくと、面白さがより出てきて非常に楽しい本でした。
当時こんな生活をしながら頑張っている人が、今はどんな生活をしているのかが気になった本でもあります。
読み応えと友人の素晴らしさを感じた一冊です。