現状の駒の動きを、ひとまず、図面にまとめてみました。駒の動き方は、歩き(赤い点)、踊り(青い点)、走り(赤い線)の3種類だけです。仲人の前後左右についた赤い点からもわかりますように、仲人は前後だけでなく、横にも動くことができる駒になっています(投稿116をご参照下さい)。いかがでしょう、この仲人の自由さ! 図からも十分に感じ取れると思います。
踊り駒は12枚です。麒麟と鳳凰も踊り駒になっています。師子の点と点を結ぶ青い線は不正行度の踊りを、狛犬の青い直線は正行度の踊りを示しますが、両駒とも途中で止まることが可能です。桂馬も驢馬も踊り駒ですのでご注意を。また、夜叉が左右に3目踊りになっています。なお、動きが変更されたこれらの件、後日投稿いたします。投稿114)にも書きましたのに、まだ投稿できていません。今しばらくお待ち下さいませ。
駒の名前を1文字で略記しています。問題ないかと思いますが、念のため、いくつか、挙げますと、次のとおりです。
ひ:飛龍 行:横行 横:横飛 左:左車 右:右車 王:奔王
最後に、投稿116)にて議論しました次の点の解釈について書きます。まだ空想の段階ですが。。。
> 或説云(ある説云く)は、次の2点を指しているものと思われます。
> A)中将棋の仲人に対して、居喫師子が可能
> B)中将棋の鳳凰・仲人は、大将棋(15マス)の鳳凰・仲人と同じ動きである
上の引用のA)についてです。考え方は2とおりあるかと思います。
1)仲人は師子の付喰の対象となる(投稿115を参照下さい)
2)仲人は師子で居喰いできる
本稿、2)でも面白いかなという立場です。つまり、普通は、仲人のいる場所に、敵の駒は進めなかったということなのかも知れません。これは、仲人は取ることのできない駒、死なない駒ということを意味します。しかし、師子の居喰いでなら(師子は仲人の場所には行かないわけだから)、仲人を取ることをOKとしましょう、というのが或る説なのです。
さて、仲人が取られない駒だとしましょう。これは、仲人という名前の意味からも、もしかしてあり得るかも知れません。また、戦略も大きく変わります。仲人は、敵の走り駒に対する合駒(というよりも完璧な防御壁)として使うことができるからです。
この件、まだ、アドバンスド摩訶大将棋の機能には追加していませんが、今後のんびりとシミュレーションしてみたく思います。もし、このルールで対局をご希望の方おられましたら、次週から始まります旧世尊院での展示会・対局会(奈良県大芸術祭)の折にでも、お声がけ下さいませ。
コメントをお書きください
mizo (金曜日, 24 10月 2014 09:03)
きれいですね。センスの良さ感心しました。
駒の動きについて、高見先生の独自見解を念のため後ろに列挙します。
「仲人」:前後一目、前後左右一目:116に解説
「古猿」:前方後方三方ずつ一目(「猛豹」に同じ):前方の動き無し
成りの「山母」に前方の動きなし
「淮鶏」:前方走り斜め前横後の五方一目:前方の走りなし
成りの「仙鶴」に前方の走りなし
「盲熊」:前方除く七方一目(「盲虎」に同じ):後方の動きなし
成りの「奔熊」に後方の走りなし
「夜叉」:斜め四方二目の踊り前一目の追記:横三目踊り、斜め前後一目
「羅刹」との整合性、私は移動先九か所で原本通りで矛盾しないと思います。高見先生としては、三目踊り大集合としたいのでしょうが。
「桂馬」、踊りについての独自見解もありますが、目に見える形での原本との相違を指摘しておきます。反対意見ではないです。先生の論拠はブログ中に書いてあります。同意が難しいものもありますが。
長さん (金曜日, 24 10月 2014 09:09)
仲人ですが。仲人で他の駒が取れるが、自分自身は獅子の居喰いいでしか取れないというルールは明らかにダメですね。獅子と仲人を繰り出しておいて、獅子同士を交換してから、玉将に、仲人が突進するだけの将棋になりますから。
それとも、仲人。七国将棋の「行人」の仲間でしょうか。「仲人で他の駒は取れないが、自分自身は、獅子の居喰いでしか死なない。」ですか。
なお。夜叉。この動き(大局将棋類似型)に変更すると、やや、ディフェンス過剰ぎみになるようなのですが、どうして敢えて変更したんでしょうか。
前の方が良いのでは。
長さん (金曜日, 24 10月 2014 09:21)
訂正:
×(誤り)玉将に、仲人が突進するだけの将棋
〇(訂正)玉将に、仲人が隙間をぬって近づいて行くだけの将棋
説明:仲人。相手駒を取ると強制成りなんですね。奔人はたぶん相手駒で取れるっていう話なんでしょう。次の項で成りの図が出て来るんでしょうか。
長さん (月曜日, 27 10月 2014 07:58)
「獅子の居喰いでしか取れない仲人」ルール。摩訶大将棋では、何とかなっても、他で問題が残りますね。
そもそも「この仲人ルール」、中将棋と後期大将棋にも適用されるんですよね。中将棋の図の直ぐ後で出てきた一文に、関するものですから。すると、中将棋および、それに準拠するルールの現代後期大将棋では、やはり獅子と仲人を繰り出しておいて、獅子同士を交換してから、玉将に、仲人が突進するだけの将棋になるのでは。中将棋等で、「敵陣突入不成りの駒、ついで敵陣駒を取ることで、任意成り」であって、「強制成り」じゃないんじゃないですか。やはり、この「異説」。存在はしても、適用困難じゃないんでしょうか。
T_T (火曜日, 28 10月 2014 02:10)
mizoさん、長さんへ
コメントありがとうございます!
返信おそくなっていますが、短信のみにて失礼いたします。
後日またいずれ返信いたします。
#1:猛豹と同じ動きの古猿は、珍しくないでしょうか?
諸象戯図式もそうではなかったような。。。
#4:中将棋の仲人は、「不行傍」だときちんと書かれていますので、動きは前後のみで問題ありません。ご指摘の点、大将棋(15マス)の問題となりますが、まだ、成りに関しての謎と関係しているせいかもです。この件また後日に。
mizo (火曜日, 28 10月 2014 08:46)
》5
象棊纂圖部類抄の赤い点です。
「古猿」の動き「猛豹」と同じです。
「仲人」の動き、中象戯、大象戯(15マス、130枚)ともに前後一目です。
私は、「古猿」については、象棊纂圖部類抄の転記ミス。
「仲人」については、縦横一目説に否定的です。
T_T (水曜日, 29 10月 2014 01:17)
mizoさんへ
コメントありがとうございます!
#1と#6のコメントについてですが、
私の考えの前に書かれているのは、象棊纂圖部類抄の記述ということなのか、mizoさんの見解ということなのか、どちらなのでしょう。タイプミスかも知れず、判断がつきません。
#1では、古猿=猛豹とあり、#6では、転記ミスと書いてあります。
一方、仲人の前後一目を、転記ミスとはされていません。
仲人の方も、転記ミスとされていいのではありませんか?
T_T (水曜日, 29 10月 2014 01:34)
mizoさんへ
あとひとつの可能性を、先入観でつぶしていたことに気づきました。
古猿のミスではなく、猛豹のミスという可能性もありますよね。猛豹=角角腎腎前尻歩が確かだということの確証は何でしょう。この自答自問、私には難しい問題です。
mizo (水曜日, 29 10月 2014 09:37)
紛らわしくてすみません。ミスもありました。
「駒名」:「象棊纂圖部類抄の図(赤い点)」:「掲載図」です。
「仲人」:前後一目:前後左右一目(116に解説)
「古猿」:前方後方三方ずつ一目(「猛豹」に同じ):前方の動き無し
猛豹の証拠は、中象戯の図の赤い点ですが、「盲虎」「猛豹」「悪狼」「猫又」という猛獣系の駒が同時に出来たと考える私には当然と思われます。