摩訶大将棋の駒の動きについては、投稿117)にて、2014秋版ということで投稿されています。本稿の2018冬版では、6つの歩き駒が変更されています(正しい動きに変更しました、ということです)。次の駒です。
蟠蛇、淮鶏、提婆、無明、臥龍、銀将
現時点では、このうち、臥龍と銀将を除く4駒の変更が、アドバンスド摩訶大将棋でも使われています。対局観は、2014秋版と2018冬版とで全く変化なしと言ってよいでしょう。摩訶大将棋では、強い走り駒、踊り駒が多数ありますので、歩き駒の動きがいくつか変わったぐらいでは、全く影響ありません。
それよりも、正しく復刻されたことによって、大型将棋の起源=摩訶大将棋であることが、より明瞭になったと思います。駒の動きは、次のとおりです。2014秋版と比べて見て下さい。
参考にすべき古文書は象戯圖たった1冊なのだから、復刻はすぐできると思われるかも知れません。私もそう思っていたのですが、実際は、全然そうではない。これで復刻は終わった、と何回思ったことでしょう。今回は、蟠蛇の動きの修正がきっかけで、銀将の動きの修正までいきました。
変更の根拠については、後日詳しく書きますが、蟠蛇は摩訶大将棋の箇所の表記でなく、延年大将棋の箇所の表記に従うべきです。つまり、曼殊院の本よりは、行然和尚の情報の方が正しかったということです。同じく、提婆と無明の動きも、延年大将棋の箇所の表記が正しいでしょう。また、蟠蛇の動きの変更と連動して、淮鶏の動きも変わります。ここまでは、確実な復刻のはず。
このあたりになると、摩訶大将棋に仕組まれた、駒の動き方の設計が見えてきます。この話題、引き続き、次の投稿とします。