273)まだ将棋史研究者には知られていない古文書

短い投稿になりますが、やはりお知らせしておく方がいいかと思いました。

いろいろな記述があります。次の4点、注目下さい。

 

1)摩訶大将棋の盤:向17目横19目という記述があります。

大型将棋の盤が正方形ではないとする初めての記述例です。

17目を17マスと見てもいいでしょうが、摩訶大将棋の復刻本(第5章)で書きましたとおり、目を文字通り、目=交点とみれば、17目19目は第一次平安京の街路となります。

 

2)麒麟・鳳凰が踊り駒である旨明記されています。

この件、摩訶大将棋の復刻本(第3章)では、象戯圖の記述からの解読で、間接的な導出でした。この古文書ではっきりしました。摩訶大将棋や大将棋の麒麟が踊り駒ではないという人はもういなくなるのではないでしょうか。

 

3)三目踊りの説明に、三手続けて仕うとあります。

摩訶大将棋の復刻本(第3章)どおり、「踊る=くり返す」という解釈で確定です。なお、鉤行は飛車を二手続けて仕うとあります。

 

4)狛犬は居喰いする旨書かれています。

諸象戯式の文面からの類推どおり(復刻本の第6章)、師子と狛犬は同等の機能をもつことで間違いなさそうです。