274)平安京摩訶大将棋 E :ゲームの概要

01:

ゲーム画面は対局モードと観衆モード(e-sportsモード)で異なります。駒と盤での対局の場合、対局者は東西に座り(つまり、自陣敵陣は東西に分かれる)、対局を見る人(陰陽師に相当)は南面して座ります。これに対応し、観衆モードの画面(図1)では、駒は左右に動きます(対局モードでは、通常どおり、自陣が下、敵陣が上で、駒は上下に動きます)。

 

02:

将棋盤は、第二次平安京に則り、横19マス縦16マスで、駒はマスの中に置きます(図2)。第一次平安京に則る場合は、駒は囲碁や中国象棋と同じく交点置きで、将棋盤は横19目縦17目になりますが、平安京摩訶大将棋Eでは、交点置きは採用せず、第二次平安京を盤として使います。なお、現状、古文書で確認できるのは、横19目縦17目という記述のみです。象戯圖の「縦横19目」、諸象戯圖式の「縦横各19間」という記述は間違いであろうと考えています。

 

03:

勝敗を決める駒は玉将ではなく、不成の駒(奔王、龍王、龍馬、師子、狛犬)です。不成の駒が成りを実現する状況(その直前)で、対局は終わります(つまり、駒を裏返す必要がないため、これらの駒には成駒は存在しません)。なお、古文書によれば、奔王、摩羯、鉤行、師子、狛犬を不成とする場合があるようですが、平安京摩訶大将棋Eでは、これを採用していません。この古文書では、龍王、龍馬が、飛鷲、角鷹に成りますが、これを平安時代後半のルールと推定しました。

 

04:

古代の大型将棋では、居喰は師子、狛犬の踊りの機能と連動して定義されており、平安京摩訶大将棋Eでは、これを採用しました。師子と狛犬は自身の動く範囲の敵駒を居喰で取ることができます。ただ、古文書では、師子と狛犬は、居喰でのみ敵駒を取ることができると書かれています(つまり、動く場合には、駒を取ることができません)。

 近世の中将棋の居喰は、隣接する駒を動かずに取るという機能ですが、それ以前の中将棋では、そうではなかったようです。象戯圖には、居喰の説明として「師子居喫、一枚二枚可随時」としかありません。ただ、この二枚の居喰はともに隣接した駒を居喰いするのではないことに注意して下さい(師子、狛犬が居喰できる敵駒の位置は図3参照のほど)。強力な駒です。まさに師子と狛犬!

 

 

(この稿、日々追加していきます)