2年2ヶ月ぶりの投稿となります。以下のイベントの開催ご案内です。平安大将棋展は初めての開催となります(今回は摩訶大将棋展との合同です)。
日時:令和4年10月30日(日)〜31日(月)12:00〜16:00
会場:グランフロント大阪 ナレッジキャピタル アクティブスタジオ
主催:VisLab OSAKA/大阪電気通信大学
展示テーマ:
摩訶大将棊之圖、初期平安京正方形仮説、唐長安城の復原図、平安大将棋のルール復刻
大型将棋の発展過程、平安大将棋から Chessへ。。。等々
平安大将棋のルールを復刻しましたので、展示会にてご紹介します。概要は論文で発表していますが、展示会での発表は今回がはじめてです。交点置きの将棋ですが、マス置きで対局します。横13マス縦9マスでします。少し前までは、横13マス縦10マスで対局していましたが、将棋盤のことを考えますと、こちらの方が妥当です。
平安大将棋は、実は、面白い将棋で、もしかすれば摩訶大将棋よりも面白い将棋かも知れません。困ったものです。どうしましょう。対局の感じは、原摩訶大将棋/摩訶大将棋/大将棋/中将棋グループとはかなり違います。今後の対局会は、ジャンルを2つに分けて、摩訶大将棋(または原摩訶大将棋か大将棋/中将棋)と平安大将棋で進めていく予定です。
前日での急なご案内となっていますが、平安大将棋にご興味おありでしたら、是非お越し下さいませ。盤は3つ用意しています(紙の盤ですが。。。)。
コメントをお書きください
長さん (木曜日, 03 11月 2022 09:12)
このブログが更新されたこと自体に驚く。2022年10月時点。
更新確認ストロークが週一レベルに低下しており間に合わず。
https://chiyoosan.blog.ss-blog.jp/
くも (月曜日, 07 11月 2022 20:05)
摩訶大将棋のブログ全部読ませて頂きました。ルールの復刻についての論考はとても面白かったです。
気になったのですが、過去の記事を読む限り、師子は仲人を居喰いできるというルール解釈になっていませんでしょうか。
>通常では,師子は(仲人を)居喰いができないが,ある説によると,居喰いができると言っているのである。
引用文が正しければ「通常は居喰いできない」ルールのはずですが、詰め摩訶大将棋で師子による仲人の居喰いが行われていたので。
T_T (土曜日, 12 11月 2022 22:58)
くもさんへ
コメントありがとうございます!
ですが、返信、いろいろありまして大変遅れています。来週の週末には、たぶん、音声でお答えをuploadすることになると思います。あとしばらくお待ちいただけますでしょうか。
(このコメント欄にではなく、新しい投稿として書くかも知れません。)
仲人のルールは、摩訶大将棋の復刻作業の中で、2回の変更がなされています。その経緯は、文章ですとかなり長々となりますので、音声での回答でと思っています。ルールの復刻、古文書の解読、将棋の起源、といった問題で、後になって思ってみますと(=いま振り返ってみますと)、仲人は、摩訶大将棋起源説にとって、キーポイントの駒と言うことができます。
上のご質問を読む限りですと、元のブログをきちんと当たったわけではないのですが、私の文章が間違っているようです。もしくは、当時やはりそのように考えていたのかも知れません。「通常では、師子は仲人を居喰いできない」という文章で何を言いたかったのか。(当初の仲人は、どの駒でも取ることができなかったと考えていたのか知れません。)
先日の投稿で290の項を書いているわけですが、その中には、今となれば、間違いの見解も多々あります。とは言え、思い出と言いますか、思索の記録と言いますか、とにかくすべての文章をそのままに残しています。いまの自分が書くとすれば、そういう主張の仕方はしないという箇所も多いです。過ぎ去った研究の過程をいろいろとなつかしく感じます。
旅先の宿の一室で書いています。センチメンタルな投稿になっているかも知れません。
くも (火曜日, 15 11月 2022 19:06)
ちょっと勘違いしていたのですが、過去のブログ記事があてにならないということは、駒の動きもブロクの記事の時点と現在の解釈が違っている可能性があるということですね。
平安大将棋のルールも公開されていないようですし、まだネットで公開できる段階ではないという判断なのでしょうか。
ゲームとしても面白いということなので、世間に認められることを期待していますね。
T_T (火曜日, 15 11月 2022 23:11)
くもさんへ コメントありがとうございます!
仲人と師子の解釈は多少変わりましたが、間違いというほどでもなく、「だいたいは信頼できる」という程度に考えていただいた方が近いかもです。
ここ数年はブログでの公開よりも先に論文で発表しています。最近の大型将棋関連の論文は、以下のものがあります。年末にゲーム学会にも新しい見解を含めて投稿予定です。
○ 高見友幸,最近発見された摩訶大将棋に関する古文書,
IR*ゲーミング学会ニューズレター,No.38,8-11,2019.
○ 高見友幸,初期平安京の復原 ~都城の思想と大型将棋の将棋盤~,
IIARS学術研究論文誌,Vol.4,18-28,2020.
○ 高見友幸,大型将棋の将棋盤と平安京の条坊: 初期平安京の復原,
大阪電気通信大学人間科学研究,Vol.23,1-13,2021.
○ 高見友幸,「摩訶大将棋起源説反駁」に対する返答,
大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要,第23号,1-19,2021.
○ 高見友幸,摩訶大将棋起源説と初期平安京の復原 〜中国象棋とチェスの起源〜,
考古学ジャーナル2021年11月号,40-50,2021.
○ 高見友幸,唐長安城の復原 〜藤原宮の位置に関する考察〜,
考古学ジャーナル2022年5月臨時増刊号,138-144,2022.
○ 高見友幸,大型将棋史に基づく中国象棋とチェスの起源に関する研究、
中山財団設立30周年記念誌、p21、2022.(これは論文でなく1ページだけの報告文です)
Halloweenのイベントでは、復刻した平安大将棋のルールで模擬対局をしていました。コロナがおさまれば、東京でも予定しています。関東にお住まいでしたら是非!
それと、今週11/17木〜11/18金の午後に、あべのハルカスの「ハルカス学園祭」にて
摩訶大将棋を展示しています。もしお近くでしたら、直接かなり詳しく
説明させていただきます。お勤めでしたら夜かと思いますが、会場は20:00までと
聞いています(ハルカスの閉店時間と同じ)。
くも (木曜日, 24 11月 2022 07:45)
回答ありがとうございます。論文を追いかけるのは敷居が高いのですが、興味はあるので時間のある時に調べてみようと思います。
摩訶大将棋が最初にできたという説には疑問もあるのですが、摩訶大将棋が特別な存在であるということは間違いないと感じています。
内容から考えて大乗仏典(大乗仏教の思想をあらわしたもの)の一種であると言っても過言ではないと思うので、仏教関係者は注目すべきですね。
高見先生は呪術的な側面に注目されていたと思いますが、むしろ仏教の布教に用いられていたのではないでしょうか。そのくらい無明と提婆の駒は驚きです。
「争いが激化しても盤上から取り除かれない駒」の存在は、仏教思想そのものと言えるのではないでしょうか。まあだからこそ受け入れられない層もあったのでしょうけどね。
日本の大型将棋は本当に興味深いと思います。外国の大型チェスとかも時代背景を反映しているのでしょうか。興味が尽きないですね。
くも (木曜日, 24 11月 2022 09:30)
平安大将棋からチェスと中国象棋に分割されたという論文を読んで気になったことがあります。
中国象棋の帥は仲人の動きではないでしょうか。帥には向かい合うことができない(王不見王)という特殊ルールがあるので、なんだか仲人っぽいですし。
中国象棋の兵はいいとして、チェスのポーンの動きはどこから来たのでしょうか。最初に2歩動けるのは、盤の大きさを正方形にしたので敵陣まで遠くなったからでしょうが、なぜ斜めで駒を取るのか。
色々考えたのですが、取られない仲人が斜めでしか駒が取れないルールになったとしても不思議はありません。駒を取ると成りを強制されるのであれば、不死身ではいられないのでしょうが、平安大将棋で成りのルールが変わったのであれば、不都合が発生した可能性はあると思います。
文献に記載がないのでは確実なことは言えませんが、成りのルールが変わったことで仲人=ポーンが斜めで駒を取るようになったとしたら面白いですね。